今年は挑戦してみたい!「学び直し」の始め方
人生100年時代、70歳まで働く社会になるともいわれる昨今、ビジネスでのステップアップが期待できる社会人の「学び直し」が注目されています。
これまで400社以上で人材育成支援を手掛けてきた株式会社FeelWorks代表の前川孝雄さんは、学び直しのメリットはそれだけではなく、「本当にやりたいこと」や「働きがい」を見つける手段にもなると話します。
とはいえ、なにを学べばいいのかわからない・・・と思う人も少なくないでしょう。
学び直しを始めるには、まず「仕事人生の主導権は会社ではなく自分自身で握る」という意識を持つことが大切だといいます。
そして次の手順で自己分析をして、学びの方向性を見定めてみてください。
1.これまでの仕事を振り返り「強み」をあぶり出す
まずは「これまで力を入れて取り組んだ仕事」を挙げ、その仕事に取り組んだときはどんな目標を立て、どんな努力や工夫をして、どんな結果や成果が得られたのかを書き出していきます。
そして、それらの仕事を通じて自分の中でどんな発見があったのか、またはそれらの仕事を通じてどう成長できたのかを振り返り、書き出しましょう。
そのうえで、ここまで書き出した内容から浮かび上がる、自分の「持ち味」や「強み」「長所」などをピックアップします。
さらに、幼少期や子供時代、学生時代はなにに影響を受け、どんなことが好きで、どんな仕事をしたいと考えていたかについても書き出してみましょう。
ここで書き出した内容と、自分の持ち味や強みとしてピックアップした内容がリンクしていれば、今後の学びの軸になりやすいと考えられます。
2.「強み」を活かせそうな仕事を研究する
1.でピックアップした「持ち味」や「強み」を活かすことができる、自分に向いていそうな仕事はなにか考えてみましょう。
複数でもかまいません。そして、なぜその仕事が自分に向いていると思ったのか、理由を書き出します。
あわせてその仕事の概要と主要業務、仕事を取り巻く環境や将来の展望なども書き留めておきましょう。
次に、その仕事にはどんな「働きがい」があるかを分析します。
実際にその仕事をしている人の話を聞いたり、その仕事に関する記事を読むなどして「働きがい」を具体化していきます。
そしてここまで書き出した内容をふまえて、その仕事に求められる思考、能力、経験などを自分の視点で考え、まとめておきましょう。
最後にもう一度、なぜその仕事に関心を持ったのか、自分に向いていそうだと思ったのか、理由を考えてみましょう。
最初に考えたときには気づかなかった理由が見つかったり、本当にその仕事をやりたいかどうかをしっかり確認することができます。
3.学びの方針を立てる
2.で本当にやりたいと思う仕事が見えてきたら、その仕事に就いた3年後に自分はどうなりたいかというビジョンと、その仕事で社会に対してどんな役割を果たしたいかというミッション(使命)を書き出します。
そして、そのビジョンやミッションを実現するために現時点で不足している知識や経験、身につけるべき能力などをリストアップしていきましょう。
それらの知識や能力を身につけることが、学びの方針となります。
学びの方針が決まったら、まずは関連する本を読む、講習会やセミナーに参加するといった手軽な学びから始めてみましょう。
そこで「面白い、もっと深く知りたい」と思えたら、スクールに通ったり資格取得の勉強をしたりといったより深い学びにステップアップすることがおすすめです。
もし学んだことが「あまり面白くない」と感じた場合は、固執せずにほかの学びに切り替えましょう。
「面白い」と思える学びを見つけることができれば、それこそが本当にやりたいことであり、働きがいのある仕事にもつながっていきます。
新年を迎えた今、今年の目標のひとつとしてぜひ「学び直し」を始めてみませんか。
監修 前川孝雄さん
人材育成の専門家集団、株式会社FeelWorksグループ創業者であり、部下を育て組織を活かす「上司力」提唱者。
青山学院大学兼任講師。
リクルートで『ケイコとマナブ』『就職ジャーナル』『リクナビ』などの編集長を経て、2008 年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。
「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した研修「上司力研修」「上司力鍛錬ゼミ」「50代からの働き方研修」、eラーニング「パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで400 社以上を支援している。
『50歳からの人生が変わる痛快!「学び」戦略』(PHP研究所)、『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『本物の「上司力」』(大和出版)など著書多数。
株式会社FeelWorks https://www.feelworks.jp/
RMエージェンシー株式会社
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