温かい一杯で健康に。体調に合わせたお茶の選び方
だんだんと秋が深まり、ゆったりと過ごしたい季節になってきました。
そんなくつろぎのひとときに最適なのは、温かい一杯のお茶。
ひとくちにお茶といってもさまざまな種類がありますが、その違いは味や香りだけでなく、健康効果にもあるといいます。
東洋医学に詳しい国際薬膳師の大坪モモさんは、次のように話します。
「東洋医学の世界では、お茶は古くから健康維持や不調の緩和等に用いられてきました。
私たちがよく飲む身近なお茶にも、薬膳的な性質を持つものが多くあります。
健康のためにレシピを学んだり、サプリメントを飲み続けたりすることはなかなかできないという人でも、毎日数杯のお茶を飲むことは続けやすいと思います。
ぜひ、体調に合わせてお茶を選んでみてください」(大坪さん)
そこで、今回は東洋医学の視点で、身近なお茶が持つ薬膳的な性質や、どんなときに飲むのがおすすめなのかについてご紹介します。
1.緑茶
緑茶には、体内の余分な熱を取る特徴があります。
暑さでのどが渇いたときに体の熱を取って潤すほか、熱による頭痛やめまい、目の充血等を抑える性質も。
そのほか、食べすぎたときの消化不良、下痢、むくみ等の改善にも役立ちます。
ただし、寒い季節や冷えが気になるときは、飲みすぎないようにしましょう。
2.ジャスミン茶
ストレスによる精神不安や緊張感が強いとき、ため息が止まらないとき、うつ症状が見られるとき等におすすめです。
ストレスにともなう胃腸の不調をやわらげる性質もあり、胃痛、腹痛、下痢等を緩和します。
3.ハトムギ茶
体内の余分な水分を排出する性質があり、むくみをやわらげる性質が高いのが特徴です。
胃腸虚弱をともなう疲れ、食欲不振、下痢の改善にもいいでしょう。
炎症を抑えてうみやたんを排出する作用もあ
るので、ニキビやはれもの、せき、たん等を抑えたいときにもおすすめです。
4.黒豆茶
体内の水分の循環を高める性質があり、むくみのほか、関節のはれや痛み等を改善します。
血液循環をよくして解毒する作用もあるため、皮膚の化膿、水虫、吹き出物等をやわらげる特徴もあります。
老化予防にもいいでしょう。
5.杜仲茶
杜仲には体を温めて腰回りの器官をサポートする性質があり、冷えや冷えをともなう腰痛、性機能の低下、頻尿、遺尿(おねしょ)等の改善に役立ちます。
寒い季節におすすめのお茶ですが、手足のほてりが強い人や口や唇の乾燥が強い人は、控えめにしましょう。
そのほか、紅茶は体を温める作用が強いため、冷えが強い人や寒い季節におすすめです。
ウーロン茶は体を冷やしも温めもしない性質で、どのような体質の人にも飲みやすいお茶です。
麦茶には体の熱を取る性質があるので、夏場はおすすめですが、寒い季節は控えめにするのがいいでしょう。
こうしたお茶の性質は、毎日数杯ずつを飲み続けることで感じられるようになります。
リラックスタイムの習慣として取り入れて、健康と美容にお役立てください。
監修 大坪モモさん
国際薬膳師、東洋医学ライター。
健康雑誌編集部をへて、東洋医学関連の書籍・コンテンツ等の企画制作に数多く携わり、国際薬膳師に。
東洋医学に関して初心者の方にも、その魅力をわかりやすく伝えることに力を入れている。
オンライン講座も開講している。https://twitter.com/MomoOtsubo
RMエージェンシー株式会社
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