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2021年06/04
梅雨どきの不調を予防・改善する薬膳の食事術

 平年よりも早く始まった今年の梅雨。

ジメジメした気候は気分を憂うつにするだけでなく、体の不調も引き起こすことが知られています。

特に梅雨どきに多く見られるのは、だるさやむくみ、冷え、食欲不振等の不調です。  

国際薬膳師の大坪モモさんは、こうした梅雨どきの不調の原因は、湿気の多さが体に影響を与えているためだと話します。

 

 「東洋医学では、人間の体は自然の一部であり、季節や気候の変化は体にも影響を与えていると考えます。

そのため、自然界で湿気が多くなるこの季節は、体の中も湿気が多くなり、それが不調の一因となっているのです」(大坪さん)

 

 大坪さんによれば、特に湿気の影響を受けやすいのは胃腸だといいます。

胃腸は湿気に弱く、梅雨の影響で体内に湿気がたまると、胃腸の調子が悪くなりやすいのだそうです。 

「胃腸が湿気の影響を受けると消化活動が低下してしまい、消化不良や食欲不振になりやすくなります。 

 また、胃腸には水分や栄養を吸収して全身に送る働きもありますが、その働きも停滞してしまうため、水分の循環が悪くなり、むくみや体の重だるさを招くほか、たまった水分が冷たくなって冷えにもつながってしまいます」(大坪さん)

 

 東洋医学のひとつである薬膳では、こうした梅雨どきの不調は、次のような「胃腸を湿気から守る食材」を積極的にとることで対処します。

 

1.トウモロコシ

  胃腸の働きを助けて水分代謝を促し、体内の余分な水分を排出する性質があります。

むくみや体の重だるさ、疲れ、食欲不振等の改善に役立ちます。

トウモロコシを炊き込んだ、トウモロコシごはん等がおすすめです。

 

 2.豆類

 大豆は胃腸の働きを助けつつ、利尿作用によって体内の余分な水分を取り除きます。

黒豆は水分代謝を高めるほか、血行促進や解毒等の性質もあります。

そのほか小豆や空豆等も、水分代謝を高めます。

カレーに含まれる香辛料は水分代謝を高めるサポートとなるので、豆カレーは梅雨の不調対策にぴったりです。

 

 3.冬瓜

 体内の余分な水分を排出して、むくみやはれもの等を抑える性質があります。

体を冷やす性質もありますが、加熱調理をすることで冷やす性質は弱まります。

肌寒い梅雨の季節は、体を温めるトウガラシを使ったピリ辛煮等がいいでしょう。

 

 4.ハトムギ

 利尿作用があり、むくみをやわらげてくれます。

胃腸の働きを助ける性質もあり、食欲不振や下痢等の改善にも役立ちます。

スープの具材や、ハトムギ茶等の形でとるのがおすすめです。

 

 気候に合わせてこうした食材を取り入れることは、自然と体を調和させることにもつながるのだそうです。

梅雨を快適に過ごすために、“胃腸を湿気から守る食材”を食生活にプラスしてみてください。

 

 

監修者 大坪モモさん

 国際薬膳師、東洋医学ライター。

健康雑誌編集部をへて、東洋医学関連の書籍・コンテンツ等の企画制作に数多く携わる。

東洋医学を知らない方に、その魅力をわかりやすく伝えることに力を入れている。

 https://twitter.com/MomoOtsubo

 

 

 

 

 

 

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