海外旅行を安心して過ごすために・・・
夏休みに海外旅行に行く人は多いと思いますが、安心して過ごすために、旅行前に知っておくべき病気の予防法や万が一に備えるための情報をご紹介します。
海外旅行中の日本人の死亡原因トップは、心筋梗塞と脳卒中です。常日頃から動脈硬化を促進する高血圧、糖尿病、高脂血症(高コレステロール、高中性脂肪)、喫煙、飲酒、肥満などのリスクファクターに注意が必要です。
〇服薬をされている方は、出発前から適切な薬の管理を行い、旅行中もしっかり服用を続けることが大切です。長距離の旅行で、大幅な時差が生じた場合には、薬を飲む時間を間違えないようにしましょう。
〇食事面では、カロリーの取り過ぎに気をつけ、旅行中でも食事内容に気をつけましょう。
〇喫煙は、脳卒中と心疾患のリスクファクターです。既往がある方は、禁煙は絶対です。
〇飲酒は、脱水を促進しますので、飛行機内(※)や発汗後の飲酒は控えましょう。脱水症状になると血液の粘度が高くなるため、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなります。こまめに水分を摂取することを心がけてください。
※飛行機内は乾燥しており、例えば、10時間のフライトで約800ccの水分が失われます。
〇脳出血の既往のある方や、高血圧の方は旅行中も十分な血圧管理が求められます。血圧がしっかり安定した状態で出発することが重要です。可能であれば旅行中も血圧測定を行えればベストです。
〇万が一、脳卒中と心筋梗塞で倒れた場合は、いずれも1時間以内に高度専門病院で治療を受けることが求められます。初期の対応が遅れると、死亡するケースも少なくありません。必ず速やかに救急車を呼ぶようにしましょう。
〇海外旅行傷害保険等には、日本語対応の病院が紹介されているので、事前に確認することをおすすめします。また、主な国の救急車の番号も、旅行前にメモしておくことをおすすめします。
【主な国の救急車の番号】
●アメリカ、カナダ、ハワイ…911 ●オーストラリア…000
●ニュージーランド…111 ●イギリス、香港…999
●フランス…15 ●中国…120
●韓国、台湾…119