あのとき地震保険は役に立ったか?-東日本大震災に見る
地震保険は役に立ったか?―東日本大震災ではどのような保険金の支払われ方がされたのかを検証してみたいと思います。
東日本大震災による地震保険の支払い金額は、1兆2千億円を超えています。これまでの最高額は95年に発生した阪神・淡路大震災で約783億円ですから、東日本大震災の被害の大きさがわかります。
地震保険では、一般的に鑑定人が損害の大きさを調査し、全損、半損、一部損という3つの区分に認定し、これに応じて保険金が支払われます。しかし東日本大震災では被害が甚大であり、個別に調査していたのでは保険金の支払いまでにかなりの時間を要したと思われます。
そこで損害保険業界では、航空写真や衛星写真を用いて、津波などで壊滅的な被害を受けた街区にある契約をすべて全損と認定するといった例外的措置をとりました。
悪天候で航空機が飛ばない、写真と住所地の照合が困難を極めるなど、さまざまな苦労があったようですが、このような取り組みがあってこそ、迅速な支払いが実現したといえます。
そして、地震発生から4ヵ月弱で9割の支払いを終えました。このことは多くの人の助けになったことと思います。
また、請求のない契約者には保険会社側から連絡をとって未払いを防ぐなど、損害保険会社の取り組みはスピーディでした。
地震保険は公的な性質が強く、保険会社の利益はほとんどありません。そんな中で調査・支払いに尽力されたことは評価できると思います。
(参考)地震保険の火災保険への付帯率(セット率)は48.1%です。(2010年度末、全国平均)
弊社の火災保険のご契約者の地震保険付帯率は、約75%です。