毎朝の「舌チェック」で、その日の体調にぴったりな食材を選ぶ
健康にいい食事の情報は巷にあふれていますが、すべてを取り入れることは至難の業。できれば自分の体質や体調に合わせて、適切な食品や食材を賢く選びたいものです。管理栄養士で中医薬膳師の刀根由香さんは、毎朝舌をチェックして体調を確認し、その状態に合わせて食材を選ぶことをおすすめします。
「東洋医学において舌の診察は、重要な診断の手段です。基本的なチェックポイントを押さえれば誰でも手軽に舌のチェックができるので、日々の健康管理にも役立つでしょう」(刀根さん)
舌のチェックは起床後、朝食を食べる前が最適。鏡の前で舌を出し、以下のチェックポイントを確認して、体調に合わせた食事法やセルフケアを取り入れてください。
- 舌の大きさ・形
【健康な状態】舌を出したときに、舌の幅が口角の左右幅と同じぐらいの状態。
・上記よりも舌が大きい、厚くてはれぼったい場合は、体内に余分な水分がたまってむくんでいるサイン。この場合、塩分を控え、貝類・アズキ・トウモロコシ・ハトムギなどを積極的にとりましょう。
・舌のふちに歯形がついている場合、疲れや胃腸の機能低下などによるエネルギー不足のサイン。体を温めるように心がけ、イモ類・カボチャ・鶏肉・青魚などを食べて、疲労回復に努めるといいでしょう。
・舌が口角の幅より小さい、薄い、舌の表面に亀裂が入っているなどの場合は、体内の水分が不足しているサイン。
味の濃い食事や刺激の強い食事を避け、ヤマイモ・オクラなどのネバネバ食材や貝類、手羽・豚足などのコラーゲンの多い肉類をたっぷりとりましょう。
- 舌の色
【健康な状態】舌の色がピンク色なら、健康な状態。
・ピンクよりも白っぽい色の場合、血液の不足や体が冷えている状態を示します。冷たい飲食物を避け、温かい食事を積極的にとりましょう。赤味の肉類・青魚類・貝類・キクラゲ・黒ゴマなどをたっぷり食べることがおすすめです。
・舌全体が暗く紫っぽい、または舌の裏の静脈が紫色に膨れ上がっている場合、血行が滞っている状態を示します。青魚・ナッツ類などは血流改善効果が期待できるのでおすすめです。キノコ類・根菜類・雑穀類も積極的にとりましょう。肉類よりも魚類を選んで。体を冷やす料理、脂っこい料理は避けてください。
舌の状態は、体調を反映して毎日変化します。舌のチェックを朝の習慣にして、健康管理に活かしてください。
監修者 刀根由香さん
管理栄養士・中医薬膳師。東京農業大学栄養学科卒業後、健康雑誌の編集を経て、漢方専門誌のライターに。
その後、国立 北京中医薬大学日本校で本格的に薬膳を学び、現在はサロン「お肌の相談室とね」で西洋栄養学と東洋栄養学の両面から、健康と美容に関するアドバイスを行っている。